
暦は、季節を知るもの。
床は、季節を感じるもの。
日本人は昔、畳や板の間、縁側や土間を素足で歩き、足裏から季節を受け取って暮らしていました。
けれど現代は、靴を履き、靴下を履き、家の中でもそのまま過ごすことが増えました。
足裏は今も毎日たくさんの情報を受け取っていますが、その感覚に意識を向ける時間は、ずいぶん少なくなったように思います。
それでも、ときどきあります。
「あ、気持ちいい。」
麻のさらりとした感触。
朝の少し冷たい床。
夕立のあとの湿り気。
山から吹いてくる風。
ほんの一瞬、足裏が季節を思い出す瞬間があります。
私たちがつくるラグは、暮らしの主役ではありません。
毎日踏まれるものです。
だからこそ、その何気ない一歩が少しだけ心地よくなったら嬉しい。
忙しい毎日の中で、足元から季節を感じるきっかけになれたらと思っています。
「床暦」は、空ではなく足元から季節を読む、小さな暦です。
毎日の暮らしの中で、足裏が気づいた季節を、一日一つずつ綴っていきます。
どうぞ、裸足の日も、靴下の日も、
ふと足元に意識を向けながら、お付き合いください。
2026年7月 3日|月山緞通ラグストア